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アンチエイジングと慢性炎症

  • 執筆者の写真: 木綿 山崎
    木綿 山崎
  • 2月13日
  • 読了時間: 3分

更新日:2月21日


慢性炎症:若々しさの隠れた敵


近年のアンチエイジング領域における重要な知見の一つが、「慢性炎症」と老化の深い関係です。

多くの方が「炎症」というと、ケガをした時の赤み・腫れといった急性炎症をイメージしますが、老化と関係するのは、体内で静かに進行する「慢性炎症」なのです。


「インフラメイジング(Inflammaging)」という言葉をご存知でしょうか。これは「炎症(inflammation)」と「加齢(aging)」を組み合わせた造語で、加齢に伴って体内で慢性的な炎症が徐々に増加していく現象を指します。


この慢性炎症は、シワやたるみといった見た目の老化や、生活習慣病や認知症などの加齢性疾患の原因となることが、近年明らかになってきました。




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慢性炎症はなぜ起こるのか

慢性炎症が起こる主な原因として、以下のようなものがわかっています。


  • 内臓脂肪の蓄積:脂肪細胞から炎症性物質が放出されます

  • 腸内環境の悪化:有害菌の増加により腸管から炎症物質が血流に入ります

  • 酸化ストレスの蓄積:活性酸素による細胞ダメージが炎症を引き起こします

  • 糖化:血糖値の上昇により糖化最終生成物(AGEs)が形成されます

  • 睡眠不足やストレス:ストレスホルモンが慢性炎症を助長します



慢性炎症を抑える対策


このような慢性炎症を抑制することは、若々しさを保つための最も重要な点の一つですが、具体的には次のような方法があります。


  • 抗炎症食の摂取:オメガ3脂肪酸(青魚)、ポリフェノール(ベリー類)、クルクミン(ウコン)などを積極的に取り入れる

  • 適切な運動:適度な有酸素運動には、体内の炎症を減らす作用があります(が、過度な運動は逆に炎症を増やすことに注意してください)

  • 質の良い睡眠:深い睡眠で体内の炎症物質が除去されます

  • ストレス管理:瞑想やヨガなどでストレスホルモンのコルチゾールを抑制

  • 断続的断食:短時間の断食は炎症シグナルを減少させ、オートファジー(細胞の自己浄化機能)を促進します




幹細胞治療による慢性炎症対策


幹細胞治療においても、慢性炎症の制御は重要なテーマとなっています。間葉系幹細胞やその培養上清に含まれる成分には強力な抗炎症作用があり、体内の慢性炎症を効果的に抑制することが期待されています。

これらを活用したアンチエイジング治療は、単に見た目だけでなく、細胞レベルでの若返りをサポートします。


慢性炎症を早期から管理することは、健康寿命を延ばし、若々しさを長く保つための鍵となります。

定期的な炎症マーカーのチェックと、個人に合わせた抗炎症プログラムの導入が、これからのアンチエイジング医療の中心となっていくでしょう。



 
 
 

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