定期的な運動で、がんの発症リスクを下げましょう
- 木綿 山崎
- 2月13日
- 読了時間: 2分
更新日:2月21日

これまでの多くの研究で、運動不足はがんのリスクを高めることが分かっています。
例えば、世界保健機関(WHO)の研究によると、定期的な運動習慣がある人は、運動不足の人と比べて大腸がんの発症リスクが20-30%も低くなるというデータがあります。
また、米国立がん研究所が行った調査では、平均59歳の145万人を対象に、11年間に渡って運動量と発がんの関係性を調べたところ、運動量が多い上位10%の人は、下位10%に比べると、約20%発がんリスクが軽減していました。
閉経後の女性約7万人を対象にした調査では、運動を毎日1時間以上行なった女性は、乳がんリスクが25%減少しました。
なぜ運動不足はがんのリスクを高めるのでしょうか。主な理由として、以下の3つが挙げられます。
まず、運動不足は肥満につながりやすく、体内で慢性的な炎症が起きやすくなります。これは、じわじわと家の土台が傷んでいくのに似ていて、がん細胞が発生・増殖しやすい環境を作ってしまうのです。
次に、体内の血液循環が悪くなることで、体の隅々まで酸素や栄養が行き渡りにくくなり、有害な物質も体外に排出されにくくなります。
さらに、運動不足は免疫機能も低下させます。免疫細胞は体内を巡回する「警備員」のような役割を果たしていますが、「警備員」の巡回が滞ると、異常な細胞(がんの芽)を見つけて退治する働きが弱まります。
では、がん予防のためにはどのくらいの運動が必要なのでしょうか。
国立がん研究センターの推奨によると、中程度の強度の運動(速歩やゆっくりとした自転車こぎなど)を1日30分程度、週に5日以上行うことが望ましいとされています。
これは、
近所のスーパーまで歩いて買い物に行く
エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使う
テレビを見ながら軽いストレッチをする
友人と一緒にウォーキングを楽しむ
といった、日常生活の中で十分に達成できる量です。
運動には、がん予防以外にも、骨粗しょう症の予防、心肺機能の向上、ストレス解消、良質な睡眠の促進など、様々な健康上のメリットがありますので、無理のない方法で体を動かすように習慣づけましょう。
参考:「科学的根拠に基づくがん予防」国立研究開発法人国立がん研究センター
<https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html>



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